贈り物の心得 * 相手への気持ち

日本では、お中元の季節ですね。お中元に限らず、皆様には贈りものをする方がいらっしゃいますか?今回は、落語家の春風亭小朝さんのすてきなお話を見つけたので、ご紹介させていただきます。

 本当にお世話になった師匠や先輩方には、感謝の気持ちを込めて何かしらお贈りしています。お中元・お歳暮として贈ることもあるし、時期をずらして旬のものをお届けすることもある。でも、どちらにしても一番気を遣うのは「何を選ぶか」ということ。だから品選びには慎重ですね。一ヶ月前には、お贈りしようと思う品の候補を自宅に取り寄せて、一度自分で試してみる。そして自分が「良い!」と感じたものだけを贈るようにしています。

 経験上、間違いなく喜んでもらえるのは「欲しいけど、あえて自分じゃ買わない」もの。
たとえば、高級マンゴーなんかもそう。これって、食べたいなと思っても自分じゃ買わないでしょ?自分で買うなら、値段の安いものを買っちゃう。だからこそ、そういう価値のあるものを贈ると、本当に喜んでいただけるんです。

 もちろん、高価であればよいというわけじゃない。「相手が今欲しいものは何か」という事前のリサーチが大切なんです。「なぜこれが欲しいってわかったの?」と相手の方が思わず驚くような品だったら、値段に関係なく嬉しいでしょう。それに、事前のリサーチは手間がかかるけど、そのプロセスは絶対相手に伝わる。だから怠ってはいけないんです。

 まだ前座になりたての頃、立川談志師匠に靴下を贈ったことがありました。白いコットンのやつで、別に高いものじゃない。でも「師匠は好みの靴下の銘柄が決まってる」と
聞いていたから、それを調べて、お贈りしたわけです。談志師匠は、頂きものにあれこれ感想を言ったりしない方なんですが、後日、ある会合で私の前を通り過ぎる時に、さっとズボンをつまみ上げ、ちらりと靴下を見せたんです。「靴下ありがとう」と言う意味ですよね。直接お礼を言われたわけじゃないけど、喜んでくださっているのだとわかって嬉しかったですね。

 京都の知人から聞いたのですが、京都ではお中元やお歳暮などは、直接会ってやりとりすることをとても大切にする。なぜなら、相手の状況がよくわかるから、と言うんです。

 直接会えば、服装や表情などから、いまどんな暮らしぶりなのかもわかる。相手が言葉で伝えにくいようなことも察するることが出来る。だから、京都の人は、贈る品も大事だけど、それ以上に直接会うことをすごく大事にするんだそうです。

 単なる「もの」のやりとりじゃない、心のやりとりですよね。今も時代、、宅急便のおかげで会わなくても贈りものを届けられますけど、やりとりするのは「心」なんだってことは、忘れちゃいけないと思いますね。   

(ネスカフェメールマガジンより)



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